先日お伝えした人工受粉に最も必要なのが花粉です。
花粉といってもなんでもいいわけでは無く、品種によって受粉できる花粉とできない花粉があります。
りんごの遺伝子にはS遺伝子というのがあります。
例えばこの黄王とシナノスイートS遺伝子がS1、S7と一緒です。
遺伝子が一緒ということは、つまりお互いの花粉で受粉できないということです。
このような自分の園地の品種構成を考え花粉をとる品種を選択します。
当農園では王林、黄王、シナノゴールドの黄色品種をメインに花粉採集してます。
特に王林は万能で既存の大体の品種にOKです。
また自家受粉といって自分の花粉で自分を受粉できる品種です。
花粉の取り方
まず風船状に膨らんだ花を選んで採取します。
これをバラバラにする機械にいれ葯を取り出します。
ですが葯だけでなく花びらなどいらないものも、まだ混じってます。
これを振るいにかけて不純物を取り除いていきます。
それでも細かい不純物はまだ残ります。
ここで最後に必殺技!
タオルによる不純物吸着法!
こんなにとれます。
これを何度も繰り返し、出来たのがコレ!
かなりの純粋度です。
不純物が多いほど受粉能力が下がるのでとても大事な作業です。
最後に開葯機に入れます。
設定温度は24度くらいです。
葯の湿度にもよりますが葯1日半で出来上がりです。
当農園では来年度分の貯蔵花粉も含め葯600g程の花粉をとります。
花粉採取の間、人工受粉の時期と重なり、毎日よる8時すぎまで、この作業が続きます。
大変だけどちゃんと受粉したりんごはちゃんと種が入る。
ちゃんと種が入ったりんごは当然味も形もいいのです。
今年も秋に最高のりんごをお届けできることを目指し、
一つ一つの作業をおろそかにせず頑張っていきます。